トラック業界あるある

【保存版】会社のトラックで事故!修理代は弁償?ドイバーの負担割合と法律の真実

くれないくん

「会社のトラックで事故を起こしたら、修理代を弁償しないといけないの?」
「傷をつけたら全額払うの?」

そんな不安を抱えるドライバーさんへ。
この記事では、現役ドライバーの実体験と法律の根拠をもとに、
「事故を起こしたとき、誰がどこまで責任を負うのか?」をわかりやすく解説します。

この記事を書いた人

運送業界29年、アパレル関係3年、営業歴9年(訪問販売2年・不動産仲介7年)

2021年運行管理者取得 現役ドライバー

地場・中距離・長距離など経験あり

会社のトラックで事故を起こしたら弁償が必要?

結論から言うと、トラックを傷つけてもドライバーが全額弁償することはありません。

確かに、一部の悪質な運送会社では「修理代を全部払え」と言ってくることもあります。


しかし、法律上それはあり得ない行為です。

会社は従業員を使って利益を得ている以上、使用者責任(民法715条) に基づいて損害に対する責任を負う立場にあります。

【参考条文】
民法
第715条第1項 ある事業のために他人を使用する者は、被用者がその事業の執行について第三者に加えた損害を賠償する責任を負う。

ただし、使用者が被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたとき、又は相当の注意をしても損害が生ずべきであったときは、この限りでない。


      第2項 使用者に代わって事業を監督する者も、前項の責任を負う。
      第3項 前二項の規定は、使用者又は監督者から被用者に対する求償権の行使を妨げない。

-民法より抜粋-

使用者責任とは?ドライバーが全額負担しなくていい理由

民法第715条
「使用者は、被用者が業務の執行中に第三者に与えた損害について責任を負う」

つまり、会社のトラックで業務中に起きた事故は、会社にも責任があるということです。

ドライバー個人が全額支払うのは法律的に不当。


判例上でも、ドライバーの負担割合は5〜30%程度が一般的です。

ただし、飲酒運転・居眠り運転・遊び疲れなど、重度の過失がある場合は例外となることもあります。

修理代のドライバー負担はどれくらい?

通常の業務中に発生する“うっかり事故”であれば、ドライバーの負担は**ごく一部(5〜30%程度)**です。

なぜなら、会社には**運行供用者責任(自賠法第3条)**があるため、会社が修理費や損害賠償を負担するのが基本です。

💡ポイント
運行供用者責任とは、
「自動車の使用で利益を得ている者(会社)は、事故の賠償責任を負う」という考え方。

給料からの天引き・ボーナスカットは違法?

「修理代を給料から天引きする」と言われても、それは違法です。

労働基準法第16条:賠償予定の禁止
→ あらかじめ損害賠償額を定める契約は無効。

つまり、就業規則に「損害は給料天引き」と書かれていても無効です。


万が一会社に言われたら、「それは労基法第16条に違反しています」と冷静に伝えましょう。

無事故手当はどうなる?

無事故手当は、会社に支払い義務がありません。


そのため、事故を起こした場合にカットされても違法ではないとされています。

ただし、「事故を起こしたら罰金〇円」とあらかじめ定めている場合は、「賠償予定の禁止」に該当するため違法になる可能性があります。

また、基本給や残業手当などを天引きするのは完全にアウトです。

筆者の実体験:不当請求を受けたが払わずに済んだ話

筆者も過去に、積み荷のパイプを落として建物の雨樋を破損させたことがあります。

当初は注意だけで済んだのですが、退職時に突然「8万円払え」と請求され、さらに後日、「32万円に増額された内容証明」が届きました。

弁護士に相談した結果、「会社は保険で支払い済み。あなたが払う必要はない」との回答。会社に伝えると、すぐに「この話は無しに」と撤回されました。

💬 教訓:理不尽な請求は必ず専門家へ相談!
無料相談なら「労働組合」や「全労連」でも対応してくれます。

事故後に嫌がらせ・不当配車があったら転職を考えよう

事故のあと、

  • 急にシフトが減る
  • 遠方・きつい仕事ばかり回される
  • 無視や圧力を感じる

そんな状況が続くなら、それは明らかなパワハラや干し行為です。


昔ながらの運送会社にまだ多い体質ですが、そんな職場に長くいるメリットはありません。

転職サイトなどを活用し、労働環境が整った会社への転職を検討しましょう。

まとめ:トラック事故で損をしないために知っておくこと

会社のトラックで事故を起こしても、全額弁償はあり得ない

一般的な負担割合は 5〜30%程度

給料天引き・罰金規定は 労基法違反

不当な請求は 弁護士や労働組合に相談を!

ドライバーは“知らない”ことで損をします。


ちょっとした法律知識を持つだけで、自分の身を守れるようになります。

最後までお読みいただきありがとうございました。


あなたの安全運転と健全な労働環境を応援しています。