トラック豆知識

運送に関する法律の「司令塔」!貨物自動車運送事業法(運送事業を動かす基本ルール)

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「一般貨物自動車運送事業」を動かす上での一番の基本ルールが、「貨物自動車運送事業法」っていう法律。

この法律には、運送会社が事業を始めるためのルールから、運行管理の仕方、ドライバーの労働時間、安全を守るための義務まで、運送事業全体に関わる大切なことがぎゅっと詰まってる

わたしたちが安全に、そして適正に仕事をするための「司令塔」みたいな法律だと思ってくれればOKだ!

この記事を書いた人

運送業界29年、アパレル関係3年、営業歴9年(訪問販売2年・不動産仲介7年)

2021年運行管理者取得 現役ドライバー

地場・中距離・長距離など経験あり

【ポイント】

  • 「わたしたちが安全に働くための大元となる法律!」

ドライバーとして毎日意識すること!労働基準法&改善基準告示(働き方と健康を守るルール)

さて、ここからが君自身の働き方に直結する、もっとも身近な法律だ。

① 労働基準法(働くみんなの基本ルール)

これはトラックドライバーに限らず、日本で働く人全員に関わる法律で、**「労働時間」や「休憩」「休日」**など、働く上で守られるべき最低限のルールが定められているんだ。

「1日8時間、週40時間」が基本の労働時間とか、残業代のことなんかも、この法律がベースになってる。

② 改善基準告示(トラックドライバー特有の超重要ルール!)

ここがポイント! 労働基準法がある中で、トラックドライバーには「改善基準告示」っていう、特別な労働時間・休憩のルールがあるんだ。

これは、ドライバーの過労運転を防いで、事故をなくすために作られた、ドライバーの健康と安全を守るための法律だ。

具体的なルールを見ていこう。これを知っておくことが、君自身の体と安全を守ることに繋がるから、しっかりチェックだ!

1. 1日の拘束時間(働いていい時間の最大値)

「拘束時間」ってのは、仕事が始まってから終わるまで、会社にいる時間全部のことだ。運転してる時間だけじゃなくて、荷物の積み下ろし、休憩、待機時間なんかも全部含まれる。

  • 原則:1日(24時間)につき13時間以内
  • 最大:延長されても1日15時間まで(ただし、1週間のうち2回まで)

つまり、どんなに長くても15時間を超えて会社のために拘束されることは基本的にはない、ってことだ。これ以上は、過労に繋がる可能性が高いからね。

2. 休息期間(次の仕事までに休まなきゃいけない時間)

「休息期間」は、**1日の仕事が終わってから、次の仕事が始まるまでの「全く自由な時間」**のこと。ここでしっかり体を休めることが、次の安全な運転に繋がるんだ。

  • 原則:1日(24時間)につき継続して9時間以上

例えば、朝8時に仕事が終わったら、次の日の午前4時までは自分の時間ってことだ。この9時間の間は、完全に仕事から離れて、体を休めたり、自分の好きなことをしたりしてOKってことだね。

3. 連続運転時間と「430(ヨンサンマル)休憩」

これがドライバー特有の、特に大事な休憩のルールだ!

  • 連続運転時間:4時間を超えて連続で運転しちゃダメ!

つまり、ずーっとハンドルを握りっぱなしはNGってことだ。

  • 「430(ヨンサンマル)休憩」って何? 「4時間運転したら、30分以上の休憩を取らなきゃいけないよ!」っていうのが、この430(ヨンサンマル)ルールだ。 この30分の休憩は、1回でまとめて取ってもいいし、10分以上を複数回に分けて合計30分以上にしてもいい。例えば、「2時間走って10分休憩、また2時間走って20分休憩」とかでもOKってことだ。 運転の途中で体を動かしたり、気分転換したりすることで、集中力を維持して事故を防ぐための、まさに「命を守る休憩」なんだ。

この改善基準告示は、君自身が「今日の運転、大丈夫かな?」「ちゃんと休憩取れてるかな?」って意識する上で、マジで超重要だから、会社に入ったらしっかり教えてもらうか、自分でも確認しておこう!

【ポイント】

  • 「労働基準法は働く人の基本。でもドライバーは『改善基準告示』がめっちゃ大事!」
  • 「拘束時間、休息期間、そして『430休憩』!これらが君の体と安全を守る具体的なルールなんだ!」

道路を走る上での絶対ルール!道路交通法(事故を起こさないための鉄則)

これはもう説明不要かもしれないけど、トラックを運転する上で、絶対に守らなきゃいけないのが「道路交通法」だ。

速度制限、一時停止、信号無視、車線変更のルール、飲酒運転の禁止、シートベルトの着用義務…など、道路を安全に走るためのルールが全てここにある。

トラックドライバーは、一般のドライバーよりも大きな車両を運転する分、事故を起こした時の影響も大きい。だから、道路交通法は「完璧に守る」のが大前提だ。

ちょっとした不注意が、大きな事故に繋がることもある。常に安全運転を心がけて、この法律を遵守することが、プロドライバーとしての最低条件だ。

  • 「当たり前だけど、これが一番大事!完璧に守って事故ゼロを目指す!」

積む荷物の安全を守る!貨物利用運送事業法(荷物を壊さないためのルール)

これは少し専門的になるけど、知っておくと安心な法律だ。

貨物利用運送事業法」は、荷主さんから荷物を預かって、それを安全に運ぶためのルールが書かれているんだ。

具体的には、

  • 荷物の受け渡しに関するルール
  • 運賃の明示
  • 荷物の損害賠償

など、荷物を「適切に扱う」ことに焦点を当てた法律だ。

わたしたちが運ぶ荷物は、お客様にとって大切な商品だったり、想いの詰まったものだったりする。だから、この法律に基づいて、荷物を丁寧に扱い、責任を持って運ぶことが求められるんだ。

【ポイント】貨物利用運送事業法」とは

  • 「荷主さんの大事な荷物を、責任持って運ぶためのルール!」

まとめ

どうだったかな?

「法律」って聞くと、なんか小難しく感じるけど、トラックドライバーが最低限知っておくべきことは、意外とシンプルだったでしょ?

今回紹介した法律は、

  • 君が働く運送会社が、国に認められたちゃんとした会社であること
  • 君自身が健康で、安全に働けるように守られていること(特に「改善基準告示」!)
  • 道路を安全に走るためのルール
  • お客様の大事な荷物を、責任を持って運ぶためのルール

なんだ。

これらの法律を知ることは、君自身の安全を守り、事故を防ぐだけでなく、プロのトラックドライバーとしての意識を高めることにも繋がる。

「法律なんて知らなくても運転できればいいや」じゃないんだ。法律を知って、それを守ることで、君は胸を張って「プロのドライバー」だと言えるようになるんだよ!

まずは、このブログで紹介した法律を頭の片隅に置いて、実際に働き始めたら、会社の担当者や先輩に疑問に思ったことをどんどん質問してみよう!

法律は、決して君を縛るものじゃない。君を、そしてみんなを守るためのものだから! さあ、自信を持って、安全運転で日本の物流を支えるドライバーになろうぜ!